夏休みの体験学習に物申す
”専門家に聞いた 夏休みに「子供の格差」が開きやすい理由”という記事を読んだ。
https://news.goo.ne.jp/article/nikkangendai/life/nikkangendai-408607.html
自分の子供の頃と今を一緒にしちゃイケナイ、っていうのは分かっているけど。
親が忙しいと、子供の宿題を見てあげられない。→宿題なんて見せたことないですけど?
塾に通う余裕がない子供だと、1学期の復習ができない。→授業の内容って、授業中に理解するもんじゃないの?
どこにも行けない子供も多くいる。→夏休みにどこにも行ったことがないけど、それで別に困らなかったよ。
給食がない夏休み中は、昼食をインスタント食品で済ます子もいる。→3年生ぐらいになったらお昼ご飯は自分で作っていたけどなあ。
旅行などの遠出はもってのほかで、夏休み中の体験量に大きな差が出る。→旅行に行けない分、自分で遊びを工夫してたけどなあ。
正直に言うと、そりゃ、家族旅行の話は羨ましかった。
帰省、というか、田舎があるっていうのも羨ましかった。
うちのおばあちゃんちは自転車で15分くらいで、おばあちゃんも叔父さん達も好きだったけど、行ったら行ったで退屈だった。
移動自体に特別感があるもう少し遠い田舎に憧れていた。(乗り物好きだし、乗りたかったのもある)
でもさ。横並びに意味があるとは思っていなかったから、素直に、友達に「いいねえ~。すごいねえ~」とは思っても、出来ない自分が哀しい。とか思ったことないなあ。
うちはうち、よそはよそで良くない?同じなんてどうせないしさ。
夏休みは単純に自由で楽しかった!
今、夏休みにお子さんにいろんな体験をさせようと、いろんなプログラムがあるらしいね。
でもどうなんだろう?そういう大人が主導するイベントって。
ホントにお仕着せの体験が経験値になるのかな?
それよりももっと大事なことが二つあると思う。
一つは、子供にもっと自分のことが自分で出来るように、家事をやらせるべきだと思う。
二つ目は、学期中は学校のプログラムをこなしていかなきゃイケナイんだから、休み中はもっと自分発信で、超くだらないことをやった良いんじゃないかと思う。
20歳を超えた学生さん達を相手にしていると、絶対的な体験不足なんですよ。
学費の高い私学理系へ来るので、そこそこ恵まれたご家庭の人が多いからきっと夏休みの体験学習とかをやってきた世代なんだけど。
何の体験不足って、お掃除も料理もできない、したことがない、マッチが擦れない。
理系なのに、家庭用電源の電圧を知らない、交流だって事も知らない、冷蔵庫が冷えてる仕組みを聞いたら、電気で冷えてるって答えちゃう。
本もあんまり読まないから、漢字が読めない、慣用句が分からない、説明の意味を要約できない。
結局みんな、受け身なんですよ。全員がじゃないけどそういう傾向が強い。
だから勉強するって言うと、丸覚えして、質問は「テストにはどこが出るんですか?」
本当の意味で、「わかる」ってことがわかっていない。
考える習慣があんまり身についていなくて、自分で考えてみる前に、正解を知って覚えることが一番大事だと思っている。
それはもしかしたら、夏休みも大人がプログラムをいっぱい組んで、いろんな体験を「受け」させて、何でも「与えて」きたせいもあるのかな~と思う。
そうか、彼らは失敗したことがないのかもしれない。
子供の頃、夏休みには失敗しても自分でお昼ご飯を作る自由があった。
もちろん、材料はこれを使ってね、と言われているんだけど、その範囲で。
あるときは食パンにマヨネーズ塗って焼かずに食べるのがマイブームだった。
袋ラーメンを初めて一人で作ったのは、2年生の時だった。(それまでは一人でガスコンロは使用禁止だった)
お鍋を持ったら重くてひっくり返しちゃって、掃除しようにも熱くてどうしようもなくなった。泣きながらすぐ上の兄に助けを求めたら、思いっきりバカって言われてケンカになったことを覚えている。
次はうまく作るぞ。とチャンスを狙っていた物だ。
友達と一緒に、どんどん遊びを開発していって、くだらないことに夢中になって、エスカレートして、例えば余所のおうちの土手に穴開けちゃったり(実話)、叱られて蜘蛛の子を散らすように逃げて余計に怒られて謝りに行ったり。
じゃあ次は何をしようか?と叱られない工夫をして、誰かが新しいことを出来るようになって真似したり。
新しい物は何を見ても珍しかった。どうなってるのかな?これはなんで動いているのかな?
大人をなんでで責めにして、自分で調べなさいって言われて、いろんな本を調べたら、その本が面白くて夢中になった。
失敗もたくさんして、小さな怪我は日常茶飯事、迷子になったり、泣いたり笑ったり。
全部やらされたことでも、準備されたことでもなくて、自分で考えてやったこと。
そういうのが、何かを考えるときの原点になっている気がする。
小学生のお子さんの夏休みに必要なことは、何もプログラムがない(ゲームもない)状態で、毎日お子さんにやることを探させることじゃないだろうか。
そして毎日、お子さんが何をして、何が楽しかったか、一緒に振り返ってあげれば良いんじゃないだろうか。
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